もろみ酢が登場したのは1973年のこととされていますが、最近では一般的になってきて健康飲料としても注目を集めています。しかし、このもろみ酢の「もろみ」って何なのか気になるところですよね。
リンゴ酢などであれば原料がリンゴとすぐに分かりますが、「もろみ」といわれてもあまりピンときません。この疑問を解決するには、もろみ酢を生み出している泡盛の原料を調べてみると分かってくるわけですが、正解は「米と黒麹菌」です。
ただし、単純にこの2つがもろみの正体というわけでもありませんので、ここでは分かりやすくもろみについてご説明していきたいと思います。
目次
もろみの正体はお酒を造るときに生まれる発酵した原材料たち
もろみという言葉はもろみ酢だけに使われているものではありませんので、まずはその定義からご覧いただきましょう。
「もろみは酒や醤油を造る過程において、原料を醸造した際に生まれる液体と分離した固形物のことを指す」おおまかな定義としてはこれがもろみです。
つまり、液体化しきれなかった原料の残り粕のようなものとイメージしてもらえれば分かりやすいかと思います。この液体と分離した固形物を搾り取って、さらにアルコール分を除去したものがもろみ酢となるわけですね。これが日本酒などのもろみだと酒粕になり、甘酒の原料として使われるようになります。
また、味噌や醤油のもろみは昔から調味料などに用いられることもありますので、とてもエコな存在と言えるでしょう。
もろみ酢と通常のお酢の造られ方による違い
もろみという言葉の定義が分かったところで、次に通常のお酢と何が違うのかについても説明していきます。
本来、お酢というのは穀物や果物を酵母の力によって発酵させてもろみを生み出し、そのもろみに酢酸菌を添加させることで生産される調味料です。
穀物には主に米が使われ、そのほか大麦などもお酢を造るために用いられることが多いですね。また、リンゴ酢やワインビネガー(ブドウが原料)といった果物由来のお酢も、通常通りの造り方で醸造されています。
しかし、もろみ酢というのはあくまで泡盛を生産する際の副産物的なものですので、少し一般的なお酢とは扱いが違います。
もろみ酢が生み出される泡盛の原料は米です。この米に黒麹菌を加えて発酵させたものがもろみ酢のもろみとなります。一般的な米酢のような気もしますが、生産工程の違いによって泡盛には多くのクエン酸が含まれることになり、主成分が酢酸ではなくなるのです。
クエン酸がたっぷりと含まれたもろみ酢のもろみは、通常のお酢のもろみと違って酸っぱさが大幅に減少します。また、主成分が酢酸ではなくクエン酸のため、「お酢」として認められないという点もポイントです。
もろみ酢は同じ酢よりもアミノ酸を多く含む健康飲料
クエン酸が主成分ということが分かりましたが、通常のお酢と違うところはほかにもあります。
それが豊富なアミノ酸含有率です。
もろみ酢にはアルギニンやヒスチジンといった多くのアミノ酸が含まれているため、そのまま飲むことで非常に健康に良い飲料として注目を集めるようになりました。
また、酢酸よりも酸味が1/3ほどとされるクエン酸が主成分ですので、刺激臭も少なくて飲用には最適という部分もあります。クエン酸にはそのほかにも疲労回復効果や血流改善効果があり、健康を気にする方にとってはまさにぴったりの飲み物です。
米と黒麹菌の活躍により生み出される「もろみ酢のもろみ」には、こうした成分が多く含まれていますので、ぜひ一度試しに飲んでみてはいかがでしょうか。
もろみ酢の「もろみ」についてのまとめ
- もろみとは酒などを醸造する際に出来る原料の残り粕
- もろみ酢のもろみには米と黒麹菌が発酵したものが含まれる
- クエン酸を主成分として多くのアミノ酸を含有
もろみ酢の「もろみ」とは何なのかを見てきましたが、米と黒麹菌が発酵して作られる残り粕であるということが分かりましたね。
しかし、残り粕といっても多くのアミノ酸が含まれているため、非常に健康に良いものだということも理解してもらえたかと思います。
ぜひこのもろみ酢を飲んで、健康的な生活を目指しましょう。