作る上で欠かせない黒麹菌って?もろみ酢と黒麹菌について

沖縄の地酒と言えばやはり泡盛ですよね。
泡盛を作る過程で誕生するもろみ酢は健康面や美容面への効果が期待できるのはご存知でしょうか。

もろみ酢や泡盛を作る過程で黒麹菌は欠かせない存在です。
酒作りでは多くの麹菌が使用されている中で、なぜ泡盛作りに黒麹菌が適しているのかをご紹介します。

沖縄の環境に適している事

日本酒作りにおいては日本酒は黄麹菌、焼酎では白麹菌が使用されるごく一般的ですが、泡盛は黒麹菌が使用される事が多いのです。

何故、泡盛作りに黒麹菌が適しているのかというと、沖縄独特の環境が関係しています。
沖縄は日本でも南にあり、年中を通して本州と比べて比較的高い気温となる亜熱帯気候の地域です。

その為、黄麹菌などを使用して泡盛作りを行うと、アルコール発酵中のもろみが腐敗してしまうのです。
特に夏場は35度~40度ともなる沖縄では腐敗に繋がることが多くなるでしょう。

さらに泡盛作りを行う工場は室温と同様に湿度も高くなる事で、もろみがより腐敗しやすい環境になるため泡盛作りは難しいのです。
そんな高温多湿な環境での泡盛作りに適した麹が黒麹です。

黒麹菌は酸度の高いクエン酸を生成する性質があります。
この酸度の高いクエン酸は腐敗の原因ともなる雑菌の増殖の抑制効果に優れた力があり、もろみの腐敗を防ぐ効果を果たしてくれるのです。

そんな黒麹菌の性質が気温の高い沖縄での泡盛作りに適しているとして、泡盛やもろみ酢の製造に欠かせない麹菌となり、現在でも重宝されています。

アルコールの収得率にも優れている

泡盛を始め、アルコール類を製造する上でアルコールの収得率が重要な要素です。
アルコールの収得率とは泡盛の原料となるもち米の使用量からどれ位の量のアルコール分の製造が可能か数値化されます。

原料となる米や芋といったものに含まれているデンプン質を糖化する事でアルコール類の製造が行われていますが、いくら大量の原料を使用しても僅かな量のアルコール分しか製造できないのであれば、酒作りを行うのも大変な労力を要すでしょう。

黒麹菌はデンプン質の糖化に優れた能力を持っており、より多くのアルコール分の製造を可能としてくれる存在です。
つまり黒麹菌を使用する事で多くの泡盛を作る事ができ、それだけもろみ酢も多く製造する事に繋がり、多くの方にもろみ酢を届ける事ができます。

もろみ酢や泡盛の製造に適している黒麹菌は、沖縄ならではの気候や環境、酒造りとの相性が抜群です。
黒麹菌はもろみ酢や泡盛と離れる事ができないパートナーとも言える存在といえるでしょう。